SESから脱出すると年収はどう変わる?実例で解説

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SES(システムエンジニアリングサービス)で働くエンジニアの中には、「このまま続けても年収は上がらないのではないか」「SESから脱出すれば年収は本当に変わるのか」と不安や疑問を感じている人も多いのではないでしょうか。実際、SNSや転職体験談では「SESを辞めたら年収が上がった」という声がある一方で、「脱出したのに年収が下がった」という話も見かけます。

SESからの転職で年収がどう変わるかは、単純に「SESを辞めるかどうか」だけで決まるものではありません。どんな立場で、どんなスキル・実績を持ち、どんな企業・働き方を選ぶかによって、結果は大きく分かれます。正しい理解がないまま動くと、「SES脱出=年収アップ」と思い込んで失敗してしまうケースも少なくありません。

本記事では、SESエンジニアの年収構造を整理したうえで、SESから脱出すると年収がどう変わるのかを実例ベースで解説します。年収が上がる人・変わらない人・下がる人の違いや、SES脱出を年収アップにつなげるための具体的な戦略、判断に使えるKPIまで紹介します。「年収を下げずにSESから抜けたい」「できれば年収を上げたい」と考えている人が、冷静に判断できる材料を提供します。

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SESエンジニアの年収構造を正しく理解する

SESの年収が上がりにくい仕組み

SESエンジニアの年収が上がりにくい最大の理由は、給与が「市場価値」ではなく「契約構造」に強く依存している点にあります。SESでは、エンジニア個人の成果やスキルよりも、会社と客先との契約条件が年収の上限を決めるケースが多く見られます。

そのため、どれだけ現場で評価されていても、契約単価が変わらなければ給与に反映されにくいという構造的な制約があります。評価と報酬が直結しづらい点が、年収が伸びにくい要因です。

KPIは、「自分の成果が年収にどう反映される仕組みか説明できるか」です。説明できない場合、構造上の制限を受けている可能性があります。

客先常駐と単価・給与の関係

SESでは、エンジニアが常駐する客先ごとに契約単価が設定され、その一部が給与として支払われます。ただし、単価の全額が給与に反映されるわけではなく、会社のマージンや固定費が差し引かれます。

このため、単価が高い案件に入っていても、必ずしも年収が比例して上がるとは限りません。また、契約更新のタイミング以外では単価交渉が行われにくく、昇給機会が限定されがちです。

KPIは、「自分の契約単価と年収の関係を把握しているか」です。把握できていない場合、年収交渉の材料が不足しています。

「SES=低年収」になりやすい条件

すべてのSESが低年収というわけではありませんが、特定の条件が重なると年収が伸びにくくなります。例えば、長期間同じ現場で業務内容が変わらない、単価交渉が行われない、評価制度が不透明といったケースです。

こうした環境では、スキルが市場でどう評価されるかを把握しにくく、結果として年収が停滞しやすくなります。SESから脱出を考える際は、「自分がこの条件に当てはまっていないか」を冷静に確認することが重要です。

KPIは、「直近2〜3年で年収・役割に変化があったか」です。変化がない場合、構造的な限界に近づいている可能性があります。

SESから脱出すると年収は本当に上がるのか

年収が上がる人・変わらない人の違い

SESから脱出したからといって、必ずしも年収が上がるわけではありません。年収が上がる人と変わらない、あるいは下がる人の違いは、「転職によって何が変わったのか」を説明できるかどうかにあります。

年収が上がる人は、SES時代よりも役割のレベル求められる責任範囲が明確に上がっています。一方で、業務内容や期待値がほとんど変わらないまま転職した場合、雇用形態が変わっても年収は大きく動きません。

KPIは、「転職後に求められる役割が、SES時代より具体的にレベルアップしているか」です。役割が変わらなければ、年収も変わりにくいと考えるべきです。

自社開発・受託・社内SEとの年収比較

SESからの転職先として多いのが、自社開発企業、受託開発企業、社内SEです。一般的に年収が上がりやすい順は、自社開発 → 受託開発 → 社内SEの傾向がありますが、これは企業の収益構造や評価制度による違いが大きく影響しています。

自社開発企業では、プロダクトの成長や成果がエンジニアの評価に直結しやすく、年収レンジも高めに設定されるケースが多く見られます。一方で、社内SEは安定性が高い反面、年収の上限が比較的低いこともあります。

KPIは、「転職先のビジネスモデルと年収レンジを把握しているか」です。ここを理解せずに選ぶと、想定外に年収が伸びない結果になりがちです。

フリーランス転向との年収差

SESからの脱出手段として、フリーランスを選ぶ人もいます。フリーランスの場合、表面的な年収は大きく上がるケースが多く、月単価ベースではSES時代の1.5〜2倍になることもあります。

ただし、フリーランスは税金・保険・稼働リスクを自分で負う必要があり、手取りや安定性まで含めて考える必要があります。「年収が上がったように見えて、実質的な可処分所得はそこまで変わらない」というケースも少なくありません。

KPIは、「年収だけでなく、手取り・安定性・リスクまで含めて比較できているか」です。比較軸が年収額だけだと、判断を誤りやすくなります。

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【実例】SES脱出後の年収変化パターン

SES→自社開発で年収が上がったケース

SESから自社開発企業へ転職し、年収が上がったケースで多いのは、「業務内容そのものがレベルアップした」パターンです。たとえば、SES時代は詳細設計や実装中心だったエンジニアが、自社開発では設計・技術選定・改善提案まで担うようになったケースが挙げられます。

このような転職では、単に職場が変わったのではなく、「企業から期待される役割」が明確に上がっています。その結果、年収も50〜150万円程度上がるケースが現実的に見られます。

KPIは、「SES時代と比べて、責任範囲や裁量が増えているか」です。役割が広がっていない転職では、大幅な年収アップは起こりにくくなります。

SES→受託開発で年収が横ばいだったケース

SESから受託開発企業へ転職したものの、年収がほぼ変わらなかったというケースも少なくありません。このパターンでは、SES時代と業務内容が大きく変わらず、「案件ベースで動く働き方」が続いていることが多い傾向があります。

受託開発は幅広い経験を積みやすい反面、評価制度がプロジェクト単位になりやすく、短期的な年収アップにつながりにくい場合もあります。ただし、将来的な市場価値が上がる可能性は十分にあります。

KPIは、「短期の年収だけでなく、経験の質が上がっているか」です。横ばいでも、次の転職で跳ねるケースは珍しくありません。

SES→フリーランスで年収が大きく変わったケース

SESからフリーランスへ転向し、年収が大きく変わったケースでは、「額面年収は上がったが、安定性が下がった」という声がよく聞かれます。月単価60〜80万円の案件を獲得できれば、年収ベースでは大幅アップになります。

一方で、案件終了や稼働調整、税金・保険負担を考慮すると、精神的・時間的な負担が増えることもあります。自由度と引き換えに、自己管理力が強く求められる働き方です。

KPIは、「収入の増加と引き換えに受け入れるリスクを理解しているか」です。理解せずに転向すると、後悔につながりやすくなります。

SES脱出で年収を上げる人の共通点

単価ではなく市場価値で語れている

SES脱出で年収を上げている人に共通しているのは、「自分はいくらの単価で現場に出ていたか」ではなく、「市場でどのレベルのエンジニアとして評価されるか」を基準に話せている点です。

SESでは単価という言葉が先行しがちですが、転職市場で評価されるのはあくまで役割・スキル・再現性です。年収を上げている人は、「どんな課題を解決できるエンジニアか」を言語化できており、結果として高い年収レンジで検討されやすくなります。

KPIは、「自分の強みを市場価値ベースで説明できるか」です。単価の話しかできない場合、評価は伸びにくくなります。

業務内容を成果ベースで整理している

年収アップにつながるSES脱出では、業務内容の整理方法も決定的に違います。年収を上げる人は、「◯◯を担当していました」ではなく、「◯◯という課題に対し、△△を行い、結果として□□を改善しました」と成果ベースで語ります。

この整理ができていると、企業側は「入社後にどんな成果を期待できるか」を具体的にイメージしやすくなり、評価が上がりやすくなります。

KPIは、「成果・改善・影響の3点で業務を説明できるか」です。できていない場合、実力が正しく伝わっていません。

転職先を「年収構造」で選んでいる

SES脱出で年収を上げる人は、企業選びの段階から視点が違います。「やりたい」「有名」といった感情だけでなく、「この会社はどの役割にいくら払う構造なのか」を確認しています。

同じスキルでも、プロダクト型企業か、受託中心か、社内SEかで年収レンジは大きく変わります。年収アップを実現している人ほど、この構造を理解したうえで応募先を選んでいます。

KPIは、「なぜその企業で年収が上がるのかを説明できるか」です。説明できない場合、年収アップは運任せになりやすくなります。

SES脱出で年収が下がる人の失敗パターン

「SESを辞めたい」だけで転職してしまう

SES脱出で年収が下がってしまう人に最も多いのが、「とにかくSESを辞めたい」という動機だけで転職先を決めてしまうケースです。この場合、転職の目的が「年収アップ」や「市場価値向上」ではなく、「現状からの逃避」になってしまっています。

その結果、業務内容や役割レベルがほとんど変わらない、あるいは年収構造がさらに厳しい企業を選んでしまい、SES時代より年収が下がることも珍しくありません。

KPIは、「なぜその転職先を選ぶのかを年収・役割の観点で説明できるか」です。説明できない場合、判断が感情寄りになっています。

スキル棚卸しが不十分なまま動く

SES脱出で失敗しやすいもう一つのパターンが、スキルや実績の棚卸しが不十分なまま転職活動を始めてしまうケースです。SESでは業務範囲が限定されやすく、自分の強みや評価ポイントを整理しないまま動くと、転職市場で適切に評価されません。

結果として、低めの年収レンジでしか検討されず、「脱出したのに年収が下がった」という状況に陥りやすくなります。

KPIは、「自分の強み・実績を第三者に説明して納得してもらえるか」です。説明が曖昧な場合、準備不足の可能性が高いと言えます。

年収交渉を避けてしまう

SESから脱出する際、「最初は仕方ない」「まずは環境を変えたい」と年収交渉を避けてしまう人も、結果的に年収を下げやすくなります。企業側は、交渉されることを前提に条件を提示している場合も多く、交渉しないことが必ずしも好印象につながるわけではありません。

特に、複数内定が出ている場合や、市場相場より低めの提示があった場合は、交渉の余地がある可能性が高いと言えます。

KPIは、「提示年収が市場相場と比べて妥当かを確認しているか」です。確認せずに受け入れると、後から後悔しやすくなります。

SES脱出を年収アップにつなげる転職戦略

狙うべき職種・企業タイプ

SES脱出を年収アップにつなげるためには、「どこに転職するか」を感覚ではなく戦略で決める必要があります。年収が上がりやすいのは、エンジニアの成果が事業価値に直結しやすい企業、つまり自社プロダクト企業やSaaS企業、技術を競争力としている事業会社です。

これらの企業では、「何を作ったか」よりも「どんな課題を解決し、どんな成果を出したか」が評価に反映されやすく、年収レンジも高めに設定される傾向があります。逆に、常に人月前提で回る企業では、SESと同じ構造に近づきやすく注意が必要です。

KPIは、「その企業でエンジニアがどう評価され、どう昇給するかを説明できるか」です。説明できない場合、年収アップの再現性は低くなります。

職務経歴書・面接での伝え方

SES脱出転職では、職務経歴書と面接での伝え方が年収を大きく左右します。重要なのは、現場でやってきた作業を並べるのではなく、「価値提供のストーリー」として整理することです。

たとえば、「テストを担当していました」ではなく、「品質課題に対してテスト工程を改善し、不具合件数を◯%削減した」といった形で語ることで、評価は一段上がります。企業は再現性のある成果を期待して年収を決めるため、この視点は欠かせません。

KPIは、「どの企業でも通用する成果の説明になっているか」です。特定現場に依存した説明しかできない場合、評価は伸びにくくなります。

転職エージェントの使い分け

SES脱出で年収を上げている人ほど、転職エージェントを「情報源」として使い分けています。SESに強いエージェント、事業会社に強いエージェント、ハイクラス向けエージェントでは、持っている求人と年収レンジが大きく異なります。

重要なのは、「SES脱出後に年収を上げたい」という目的を最初から明確に伝えることです。目的が共有されていれば、年収レンジの低い求人を避け、戦略的な提案を受けやすくなります。

KPIは、「年収レンジを明確に提示された求人だけを検討しているか」です。曖昧なまま進めると、条件で後悔しやすくなります。

年収を下げずにSESから脱出するためのKPI

転職判断のチェックポイント

SESから脱出する際に年収を下げないためには、「内定が出たかどうか」ではなく、「その内定が合理的かどうか」をKPIで判断する必要があります。感情的に決めてしまうと、短期的には安心できても、後から年収やキャリアで後悔するケースが少なくありません。

具体的には、「転職後の役割が明確か」「評価基準が言語化されているか」「昇給・年収レンジの上限が見えているか」といった観点で確認します。これらが曖昧なままの内定は、年収停滞やダウンにつながりやすい傾向があります。

KPIは、「その内定を選ぶ理由を年収・役割・成長の3軸で説明できるか」です。説明できない場合、判断材料が不足しています。

年収交渉に進んでいい状態の見極め

年収を下げずにSESから脱出するためには、交渉に進むタイミングの見極めも重要です。評価が固まっていない段階で条件交渉をすると、逆に評価を下げてしまうリスクがあります。

交渉に適した状態とは、「企業側から期待される役割が具体的に提示されている」「他社条件や市場相場と比較できる材料がある」「自分の強みが評価されている実感がある」この3点が揃っているときです。

KPIは、「交渉に使える客観的な根拠を2〜3個用意できているか」です。根拠がない状態では、無理に交渉する必要はありません。

明日からできる3アクション

最後に、年収を下げずにSESから脱出するために、明日から実践できる3つの行動を整理します。

1つ目は、直近2〜3年の業務を振り返り、「成果・改善・影響」の形で最低3つ書き出すことです。

2つ目は、自分のスキルが市場でどの年収レンジに位置するのかを、転職サイトやエージェントを使って客観的に把握することです。

3つ目は、「年収を下げずにSESを脱出する」という目的を明確にし、その条件に合わない求人は最初から除外することです。

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まとめ

SESから脱出すると年収がどう変わるかは、「SESを辞めること」そのものではなく、「どんな立場・役割・評価構造に移るか」で決まります。実例からも分かる通り、自社開発や事業会社で役割が明確にレベルアップした人は年収を伸ばしやすく、逆に目的が曖昧なまま転職すると年収が下がるケースも少なくありません。

年収を上げている人に共通しているのは、市場価値ベースで自分を語れること、成果を言語化できていること、そして転職先を「年収構造」で選んでいる点です。一方で、「SESを辞めたい」という感情だけで動くと、評価も年収も伸びにくくなります。

SES脱出はゴールではなく、あくまでキャリア戦略の一部です。年収を下げず、できれば上げるためには、転職判断・交渉・準備をすべて戦略的に行う必要があります。本記事で紹介したKPIを基準に、自分の選択が合理的かどうかを確認しながら進めていきましょう。

明日からできる3アクション

1つ目は、SES時代の業務を「成果・改善・影響」の3点で書き出し、市場価値として説明できる状態にすることです。

2つ目は、転職候補企業について「年収レンジ」「評価基準」「昇給構造」を事前に調べ、年収が上がる理由を言語化することです。

3つ目は、SES脱出と年収アップに強い転職エージェントを活用し、第三者視点で戦略をチェックしてもらうことです。

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